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「仕事に行きたくない」が続くとき——甘えかどうかより先に確かめたいこと

最終更新: / United World Counseling 編集部(ユナイテッドワールド株式会社)

「仕事に行きたくない」という気持ちが続く状態は、甘えか病気かの二択で判断する必要はなく、厚生労働省こころの耳が示す「ストレス反応」という枠組みで、心理面・身体面・行動面に何が起きているかを整理して見ることができます。症状が2週間以上続く場合は専門家への相談が一つの目安になりますが、それより前の段階でも、公的な相談窓口や勤務先が用意する社外の相談窓口に話すことは早すぎる選択ではありません。

「仕事に行きたくない」という気持ちが一日だけでなく続いているなら、それが甘えかどうかを自分ひとりで判定する必要はありません。厚生労働省「こころの耳」が示す枠組みに沿って、いま自分に起きていることを心理面・身体面・行動面に分けて見て、症状が2週間以上続いているかどうかを、相談に動くかどうかの目安として使うことができます。判断そのものは、いったん保留にしたままで構いません。

「行きたくない」が続くとはどういう状態か——まず数えてみる

「今日はどうしても行きたくない」という日が一度あることと、それが週の半分以上続いていること、日曜の夜や出社前になると決まって気が重くなることを繰り返していることとでは、同じ言葉で語られていても中身がまったく違います。まず確かめたいのは、その気持ちが「いつから」「どのくらいの頻度で」続いているかという事実そのものです。良い・悪いの評価はそのあとでよく、まずは数えることから始めます。

仕事にストレスを感じる理由は一つとは限りません。厚生労働省の調査でも、仕事の量や、仕事の失敗・責任の重さ、仕事の質、対人関係など、ストレスの内容は人によってさまざまであることが示されています。自分の「行きたくない」がどの要因から来ているのかを考えてみるだけでも、次に何をすべきかを考える手がかりになります。

仕事や職業生活で強いストレスを感じる事柄の内容(令和6年)
項目 労働者割合
仕事の量 43.2%
仕事の失敗、責任の発生等 36.2%
仕事の質 26.4%
対人関係(セクハラ・パワハラを含む) 26.1%
会社の将来性 22.2%
顧客、取引先等からのクレーム 20.7%
役割・地位の変化等 19.8%
雇用の安定性 11.2%
仕事や職業生活で強いストレスを感じる事柄(令和6年)出典:厚生労働省「令和6年 労働安全衛生調査(実態調査)」結果の概要 第17表・第1図(2026-09-05取得) 強い不安・悩み・ストレスがある労働者を100とした割合(主なもの3つ以内)

こころや体に起きていることを3つに分けて見る

「こころの耳」は、ストレスへの反応についてこう説明しています。

「ストレッサーに適応しようとして、こころや体に生じたさまざまな反応をストレス反応と言います」

出典:1 ストレスとは:ストレス軽減ノウハウ|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト(https://kokoro.mhlw.go.jp/nowhow/nh001/)

「行きたくない」という気持ちも、根拠のない甘えではなく、何らかのストレッサーへの反応の一つだと捉えることができます。こころの耳は、この反応を心理面・身体面・行動面の3つの側面に分けて説明しています。

「活気の低下、イライラ、不安、抑うつ(気分の落ち込み、興味・関心の低下)」

出典:同上

「体のふしぶしの痛み、頭痛、肩こり、腰痛、目の疲れ、動悸や息切れ、胃痛、食欲低下、便秘や下痢、不眠」

出典:同上

「飲酒量や喫煙量の増加、仕事でのミスや事故、ヒヤリハットの増加」

出典:同上

この3つのうち、どれか一つにでも心当たりがあれば、それは意志が弱いからではなく、いまのストレッサーに対する自然な反応が出ているというサインとして受け止めることができます。

いま自分に起きていることを分けてみる

  • 心理面気持ちや意欲の変化。活気の低下、イライラ、不安、気分の落ち込みなどが当てはまるか。
  • 身体面体に出る変化。頭痛や肩こり、動悸、食欲や睡眠の乱れなどが当てはまるか。
  • 行動面日々の行動の変化。飲酒や喫煙の量、仕事でのミスやヒヤリハットの増減などが当てはまるか。

「甘え」ではなく「ストレス反応」という見方

3つの側面のどれかに変化があるとき、それは意志の弱さの問題ではなく、こころと体が今のストレッサーに適応しようとして起こしている反応だと考えることができます。「甘えではないか」と自分を責めることにエネルギーを使うよりも、何が起きているかを分けて見ることに使うほうが、次の一歩につながります。

こころの耳は、大きな問題を一人で抱え込むことについても述べています。

「自分で対応しきれない大きな問題を抱えた時には、自分ひとりで解決するにはかなりの時間と労力を要することになり、結果として心身の不調を招くことになりかねません。」

出典:4 ストレスへの対処:ストレス軽減ノウハウ|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト(https://kokoro.mhlw.go.jp/nowhow/nh004/)

2週間、という一つの目安——診断ではなく、相談に動く合図として

こころの耳は、症状が続く期間について次のように述べています。

「以下のような症状が2週間以上続く場合には、「うつ」が疑われますので、専門家(精神科、心療内科)に早めに相談することをおすすめします。」

出典:2 ストレスからくる病:ストレス軽減ノウハウ|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト(https://kokoro.mhlw.go.jp/nowhow/nh002/)

これは診断名を確定するための基準ではなく、専門家に相談するかどうかを考えるための一つの合図です。逆に言えば、2週間に届いていないからといって「相談してはいけない」という基準でもありません。

今の自分はどの段階か

  • 気持ちの落ち込みが数日以内で、休日や趣味の時間には気分が変わるまずは十分な休息をとり、しばらく様子を見てよい段階
  • 心理面・身体面・行動面のいずれかの変化が2週間に満たない範囲で続いている受診するかどうか迷う段階。公的な相談窓口や社外の相談窓口に話してみる価値がある
  • 気分の落ち込みなどの症状が2週間以上続いているこころの耳が示す目安に該当する。精神科・心療内科への相談を検討する時期

受診するほどではないと感じるときに使える相談先

この記事は診断や治療を行うものではなく、症状の重さを判定するものでもありません。2週間という目安に届いていなくても、話せる場所はあります。厚生労働省の「まもろうよこころ」には、電話やSNS・チャットで相談できる公的な窓口がまとまっています。こころの耳の相談窓口案内からも、状況に応じた窓口を確認できます。「受診するほどではない」と感じている段階で使ってはいけない窓口ではなく、むしろそういう段階でこそ使ってよい窓口です。強い落ち込みが続いている、あるいは自分や周囲の安全が心配な場合は、これらの窓口をすぐに確認してください。

会社の外にある相談窓口という選択肢

受診の前段階として、勤務先が用意している社外の相談窓口も選択肢の一つです。一般に、社外の従業員向け相談窓口は、相談内容を会社側にそのまま共有しない前提で設計されています。利用を検討する際は、その窓口が誰にどこまでの情報を伝える設計になっているかを、事前に確認しておくと安心して話せます。自分の勤務先にそうした社外の相談窓口が用意されているかどうかを、この機会に確認してみることも一つの一歩です。用意されていない場合は、その必要性を人事や総務に伝えることも選択肢に入ります。

次にすること

  1. 今の状態を書き出す心理面・身体面・行動面のどこに変化が出ているか、いつから続いているかを簡単にメモする。
  2. 2週間という区切りを意識するすでに2週間以上続いているなら、精神科・心療内科への相談を具体的に考える。
  3. 話せる窓口を確認する「まもろうよこころ」やこころの耳の相談窓口案内、勤務先の社外相談窓口の有無と連絡先を確認しておく。

まとめ:判断は保留のままでいい

「甘えか、病気か」を今すぐ決める必要はありません。こころの耳が示す心理面・身体面・行動面という3つの見方で、いま自分に起きていることを整理し、2週間という目安を、相談に動くかどうかの合図として使ってください。受診するほどではないと感じる段階でも、公的な窓口や勤務先の社外相談窓口に話してみることは、決して早すぎる行動ではありません。

よくあるご質問

「仕事に行きたくない」と感じるのは甘えなのでしょうか。

厚生労働省のこころの耳では、こうした気持ちの落ち込みや意欲の低下は『ストレス反応』として心理面・身体面・行動面に現れるものと説明されています。良し悪しの評価の前に、まず自分に何が起きているかを分けて見る材料として捉えることができます。

どのくらい続いたら、専門家に相談したほうがいいのでしょうか。

こころの耳は、気分の落ち込みなどの症状が2週間以上続く場合は精神科・心療内科への早めの相談を勧めるとしています。2週間に届いていないからといって相談してはいけない、という基準ではありません。

受診するほどではないと感じています。それでも相談できる場所はありますか。

厚生労働省『まもろうよこころ』には、よりそいホットラインやこころの健康相談統一ダイヤルなど、電話やチャットで話せる公的な窓口がまとまっています。加えて、勤務先が社外の相談窓口を用意している場合、そこも受診の前段階で使える選択肢です。

会社の相談窓口を使うと、人事に内容が伝わりますか。

この記事は特定サービスの制度説明ではありませんが、一般に社外の従業員向け相談窓口は、相談内容を会社側に共有しない前提で設計されています。利用を検討する際は、その窓口が誰にどこまで情報を伝えるのかを確認することが大切です。

会社の外に、話せる場所を持っておく

United World Counseling では、仕事や職場の悩みについて、会社と利害関係のない相手に相談できます。まとまっていない状態のままで構いません。

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出典

  1. 相談窓口案内|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト 原文

本記事は一般的な説明です。個別の事案における法令の適用および解釈については、所轄の労働基準監督署、産業保健総合支援センター、または専門家にご確認ください。